Nagoya Writes

December 12, 2007

Yuku Haru by Shoichi Miyamura

Filed under: Issue: May 2006,Miyamura,Poetry — usbengoshi @ 5:23 am

抱きあい結び合う歓喜の残り火のように
燃え始めた新しい命を
母体とつないでいたもの
そして生まれ出た直後に切り離されたもの
誕生の喜びと哀しみ

それから 時が 確実に刻み始め
とおくちかく 激しく
或いは 緩やかに
ゆらぎながら燃え続けて
いつかまた ついに消える

そのようにして 受け継がれてきた炎の
故郷はどこなのだろう
続けつづけている力は何なのだろう

その昔 生まれ出た未熟児の命を
毎日辛子湯につけて守った母がいた
守られた男の子はやがて兵となり旅立ち
見知らぬ国で除隊となった後に
一人の女と出会い
そして 私が生まれた

数日で終わっていたかも知れない命は
九十年の長さを生きて ある病院の片隅で
数ヶ月細い管につなぎ止められて生きていたが
五分咲きの桜を見た直後
見知らぬ土地へと旅立っていった

残された者たちも 又 暫くの後には
同じ向こう側に出向いていく
花は散り 吹かれては ゆらゆらと

今 目前の春は粛々と過ぎていく

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